保戸野桜町モデルハウス 〜東北の冬に備えて〜
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設計担当:納谷学、高野健太
企画運営:高田住宅工業 高田金道
構造設計:多田修二構造設計事務所 多田修二
施工会社:高田住宅工業 金子信
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構造形式:木造在来工法階建て
建物用途:モデルハウス竣工年月:2019年4月
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敷地面積:92.92㎡(28.11坪)
延床面積:133.33㎡(40.33坪)
1階床面積:70.39㎡(21.29坪)
2階床面積:62.94㎡(19.04坪)
秋田市内の住宅地に計画したモデルハウスです。
いつもはある住み手であるクライアントの要望はなく、企画会社の要望である汎用性があって売れる住宅を計画することが問われました。
そこで、以前同じ秋田の能代の実家「能代の住宅」で試みたように、東北の冬の気候を考慮して、全室南向きで少ない冬の日照を有効に享受し、風通しがよく、季節によって建具の調整で快適な住環境を提供できるプロトタイプとしての住宅を提案できないかと考えました。
東西方向に長方形の箱型のプランに南と北に廊下状のスペースを設け、季節によって建具で大きく開閉したり、コンパクトに閉じたり、昔の日本のどこでもみられた様に季節の変化を生活の仕方を変えることで対応しようというものです。
『2019年』のTEXT
秋田の住宅は、冬の寒さから住空間を守るため得てして窓が小さく閉鎖的な住宅が多いと思います。
「保戸野桜町の住宅」は、若い夫婦が求めている開放的で明るい住宅へのニーズに対して、素直に応えたいという思いから発想しました。
東西に長いプランは、太陽の光をいっぱいに受け風抜けの良い開放的な住宅を実現します。
例えば、計画ではトイレや浴室を含むすべての部屋を南向きにしています。
ですから、どこでも明るい日の光を感じることが出来ます。
LDKは、一段低くなっていてどこにでも自由に座れるようになっていますから、友達や大人数が遊びに来た時もみんなでコミュニケーションをスムーズにとることが出来ます。
また大きな吹抜けのあるリビングは、開放的で大きなサッシを設置していますから、南の庭に直接出られます。
秋田の人達があきらめている開放的な住宅を実現するため、さまざまな工夫や仕掛けをこの住宅にこめました。
この住宅の建ち方が秋田の住宅のプロトタイプとなればと思います。