PROTO 〜都市のテトリス〜

作品情報
TEXT
PROTO 東京都中野区
  • 設計担当:納谷学、磯貝慶、出原賢一

    構造設計:かい構造設計 寺門規男

    施工会社:大同工業株式会社 高島

    建設地 :東京都中野区

    お問合せ:リネア建築企画

     

    PHOTO:吉田誠

  • 敷地面積:246.71㎡. (74.62坪)

    階  数:地上6階

    世帯数 :21世帯+1店舗

    住戸タイプ:1R〜3LDK

    駐車台数:3台

    構造形式:RC扁平ラーメン構造

    竣工年月:2003年3月

     

  • 延床面積:932.62㎡(282.11坪)

    1階面積:185.38㎡  (56.07坪)

    2階面積:178.18㎡  (53.89坪)

    3階面積:150.00㎡  (45.37坪)

    4階面積:165.86㎡  (50.17坪)

    5階面積:138.96㎡  (42.03坪)

    6階面積:114.24㎡  (34.55坪)

     

  • 掲載誌:『THE BIG BOOK OF LOFTS』

        『建築家のデザイン集合住宅』

        『新建築 2003.09号』

        『BRUTUS 2002.11.01/2003.09.01号』

        『住宅建築 2003.08号』

        『建築マップ東京2』

        『TITLE 2003.07号』

        『Lives 2003.06/07』

        『TOKYO BROS 2002.09号』

        『TOKYO 1週間 2003.02.04号』

        『Casa BRUTUS 2002.07』

        『AERA DESIGN ニッポンのデザイナー100人』

        『COLLINS DESIGN NEW APARTMENTS』

        『Lives 2006.02/03』

        『リフォーム建築に役立つ 浴室洗面トイレ』

        『ART BOX VOL.3 現代日本の建築』

        『ディテール2009年秋季号』

PROTO 東京都中野区

敷地は東京・新井の変型五差路に突き出すようなところです。そこに、単身者向けのいわゆる賃貸ワンルームマンションを計画することになりました。

敷地形状と法的条件から横に6スパン、縦に6層、計36マスの空間を積層して計画しています。36マスの1段目には、エントランスと駐車スペース、テナントを割当て、2段目以降にオーナー2世帯住居を含む住戸を計画しました。住戸は、様々なバリエーションを持たせるために、マスを水平方向や垂直方向に繋ぎました。

自由に組合わせた住戸群は、住人の生活を豊かにすることはもちろん、その豊かさは端的に建築のファサードに現れ、街(都市)に表情をつくります。またいくつかの住戸は、前面道路いっぱいに張出させ、色とりどりの外付けスクリーンをつけました。混在しているメゾネットタイプの住戸は、内部では2層分のダイナミックな吹抜けを内包し、同時に街にダイナミズムを与えます。

新井薬師に限らず、同じ街の同じ通り沿いには同じような規模の建築が建ちます。建築が通りに対して凸凹のファサードを持ち、街に変化を与えることで、都市に均一ではない変化に富んだ潤いを提供できればと思います。

『新建築 2003.09号』よりTEXT抜粋

『敷地は、新井薬師の変形5差路に突き出すようにある。

不動産的要求から、単身者向けのいわゆる賃貸ワンルームマンションを計画することになった。要求されたワンルームの基本面積は、20㎡~25㎡である。一戸当りの限られた壁面から少しでも大きな開口部を有効に取り、明るくて開放的な住戸を提供するため、計画当初から偏平ラーメン構造を選択することにした。そして、アルミサッシの製作限界寸法である2,400㎜を天井高とし、階層による梁厚の差を階高によって調整している。

そうした不動産的条件と敷地の形状、日影や道路斜線などの法的条件より、1スパンが2,950㎜で6スパン、階高2,800~2,900㎜で6層のボリュームが割り出された。つまり、一個あたり22㎡のマスが立面上で6×6=36個並ぶことになる。この36個のマスの一段目には、エントランスと法的に要求されている駐車場、それに計画当初から予定されていたテナントスペースを割当て、2段目以降にオーナー住戸2世帯を含む住戸を当てはめている。住戸は、そのままでは規定の法床を超過することと、さまざまなバリエーションを持たせるため、水平方向につないだり、断面方向につないだメゾネットタイプを混在させている。通常メゾネットタイプの集合住宅を計画する場合、階高を小さくコントロールするのが一般的だが、それでは同じ階に同じタイプの住戸が並ぶことになる。混在させるということは、36のマスの中で自在に組み合せることを意味する。自在に組み合わされた住戸群は、端的にファサードに表れ、街(都市)へ表情をつくる。そして、より積極的に街にアプローチするため、いくつかの住戸を前面道路に張り出させ、メゾネットタイプのフィックス部分には色とりどりの外付けスクリーンを用意した。混在しているメゾネットタイプは、内部では2層分のダイナミックな吹抜けを内包しているが、同時に街にダイナミズムを与えてるのだ。新井薬師にかぎらず、同じ街の同じ通り上には、同じような規模の建築が建つことが予想される。

建築が、ファサードに凹凸を持ちながら街に変化を与え連続していくとき、それらは個々の建築としてだけではなく、通りを挟んだ空中でより活性化され、街に潤いを与えるであろう。』

『ディテール2009年秋季号』のTEXTより抜粋

〜エキスパンドメタルで和らげる〜

「新井の集合住宅」の外部階段は、エキスパンドメタルで囲っている。それは、階段の皮膜を、金属を使いながらも透明で軽く、柔らかな表現にしたかったからだ。それを実現するため、階段をトラス構造として、そのササラに基本ユニットW520×H2800のパネル化したエキスパンドメタルを張り込んだ。階段の外周は構造から解放されている為、透明で住民のアクティビティーが外部からも感じるようになった。

戻る