LAMINA 発売開始! 〜秋田の美しいゴミ〜

作品情報
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LAMINA 発売開始! 秋田県能代市
  • 設計担当:納谷学、冨田恵、内山大輝

    デザイン監修:株式会社GILIGILI

  • 製作会社:株式会社マルサ 佐藤哲也

LAMINA 発売開始! 秋田県能代市

2022年10月20日 「株式会社GILIGILI」を立ち上げました。

記念すべき最初のPROJECTは、家具LAMINAシリーズです。ご希望の方は、(株)GILIGILIのSALESよりお問い合わせください。

GILIGILIは、建築よりももう少し人の生活に寄り添うようなもの、ランドスケープというよりはガーデニングという方が近いかもしれませんし、家具や身の回りの物、雑貨みたいなもの、人が直接触れるようなものが世の中に送り出す主な媒体となることを考えています。

コンセプトは、「秋田の美しいゴミ」。

全国でも景気が悪い県で上位に入っている秋田県(特に私の故郷の能代は秋田の中でも死滅する市とさえ言われています。)がKAGU PROJCTの生産の中心となり、捨てられていくもの(材料選定ではじかれた板や切り落とされた端材、忘れられて倉庫で眠っているもの等)を新しい技術とデザインの力で再生して、世の中に送り出すというものです。

能代はかつて木材の町として栄えました。当時の繁栄は、街の中を歩いていても感じられなくなくなりましたが、市内に残っている「旧料亭 金勇」では今でもみごとな天然秋田杉で造られた建築を見ることができます。能代に限らず、日本の木材産業は衰退してきましたが、市内には当時からの技術を継承し、全国を舞台に活躍している人達がいます。

そこで、私たちが素材として選んだのは、木製品の製作過程で残った半端ものの「秋田杉」。

能代の家具屋さんや建具屋さんが製品の製作過程で出てくる端材は、これまで倉庫の片隅に積まれ、ある一定量を超えると破棄され燃やされています。つまり最終的にはゴミとして処理されています。

燃やされた木材は、二酸化炭素を大気中に放出します。木材は、二酸化炭素を内部に蓄え大気中に拡散するのを防ぎます。このPROJECTは、SDGsにつながる小さな試みです。

半端ものの秋田杉はそのままではもちろん使えません。

LAMINAは、ゴミとして処理される半端ものの秋田杉の端材を重ねてプレスし、3層の板を作り、その板で造る家具です。

製作された家具は、もともと家具や建具の仕上げとして選ばれた材料で造りますから、節がほとんどなく、本来の秋田杉の製品と同様に木目や色あいがとても綺麗で柔らかく、人に優しい家具としてゴミから生まれ変わるという家具のシリーズです。

現在は、椅子はスタンダードタイプ、肘掛け付き、スツール、ハイスツールの4種、テーブルはダイニングテーブルとローテーブルの2種の計6種の家具を展開し、2024年4月14日に発売開始しました。

「新しい技術とデザインの力で、秋田のゴミを美しい家具として再生すると共に、故郷を再生したい。」

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